ストレスの本来の意味はもともと物理の用語に由来していて、加えられた圧力や刺激をストレッサーといい、ストレッサーによって物質が変化し劣化することをストレスというのです。この物理現象を人体に適用して「外からのすべての刺激に対して、体が変化し、疲労し、劣化していくことがストレス」としているのが、セリエのストレス学説です。
その身体的なストレスにも、体の外からかかるストレスと体の中で起こるストレスがあります。
体の外からかかる身体的ストレスを負担の大きい順にいうと…
◇ 重力に逆らう運動などによるもの
◇ 気候や温度、湿度の変化によるもの
◇ ウイルスや細菌など病原菌の感染によるもの
◇ 排気ガス、薬、酒、タバコなど化学物質によるもの
◇ 騒音など、物ではない環境要因によるもの◇ 精神的刺激、苦痛によるもの
不健康の大きな原因のようにいわれる精神的ストレスが実は一番負担が小さいのです。
仕事やスポーツ、買い物や食事をとることもストレスになります。食事は栄養補給になりますが疲労の原因にもなります。
でも、同じストレスがかかる同じ環境にいても、その影響を強く受ける人と受けない人がいます。それは、生まれつきの問題である体内の圧迫ストレスがあるからです。
◇ 先天的要因によるもの最初で最大の圧迫ストレスは、胎内にいるときに頭蓋骨にかかる重力と胎内(子宮)の圧力です。遺伝子と圧迫ストレスの問題で、頭蓋骨と深筋膜が捻じれて曲がることで、その人の一生を左右する体質と体力が決定されるのです。
◇ 蓄積疲労によるもの疲労が蓄積する原因は睡眠不足です。疲労しても睡眠でその疲れがとれればいいのですが、実際は多くの人が睡眠不足です。長い時間寝ても疲れがとれないのは、脳の持続的な圧迫ストレスにより、疲れがとれる「質の良い睡眠」にならないからです。
◇ 体内ウイルスの影響によるもの(HHV6など)
疲労により代謝障害が起きると、特に流れの悪い部分(内臓や筋肉など)で体内ウイルスが増殖し、炎症を起こし、硬化していきます。そして、その部分は他より老化が進みます。
近年の気候の激変やウイルスなどの問題と、日常生活による身体的な疲労の蓄積や睡眠不足にともない、脳の圧迫ストレスが強くなることで生命力が低下して、身体は不健康な状態になっていくのです。